「広島なんて、ホンマにすぐやで」
と夫がしきりに言うので、
土曜日、マリンライナーと新幹線を乗り継いで広島へ行ってみた。
午前10時頃に高松駅を出て
広島駅に着いたのが、午前11時半くらい。
ホンマに近かった。
駅から路面電車に乗って、広島平和記念公園へむかう。
電車の駅からは、原爆ドームまで、すぐだ。
TVで見て頭の中にあったイメージより、ずっと小さい。
それだけ、周囲のビルが大きく、高層化していったということなんだろう。
原爆投下後75年間は草木も生えない
と言われた広島で。
晴れた週末で、風もなくおだやか
ということもあって、原爆ドーム周囲も、平和記念公園も人でいっぱいだった。
広島平和記念資料館にも、たくさんの人が訪れていた。
ボランティアガイドの方のお話では
近々、館内がリニュアールされて、展示も新しくなるのだとか。
被爆直後の様子を再現した人形の展示などについて
「実際はこんなものではなかった、という声も多くて。
映像も使い、より良い展示方法に変えていく予定です」
とのことだった。
新たに見つかる資料も多いだろうし、
そういうものも含めて、
最新のテクノロジーで、より心に伝わる展示になれば、
そんなに素晴らしいことはない
と思う。
そして、リニュアールで、館内がもっと広くなれば
とも。
古い展示室は、やはり狭い。
小さなガラスケースにたくさんの資料が並び
世界中からやって来た大勢の人が、それを真剣に見る。
資料の説明も、真剣に読む。
それゆえ、人の波が動かないので、頭越しに展示を見ざるをえないことも。
狭さゆえ、車椅子の方は移動しにくいだろうな
とも思った。
リニュアールで、広く見やすい展示になれば、本当に素晴らしい。
世界中から
「ヒロシマを見なければ」
と、あんなに大勢の人がやって来ているんだから。
そんなリニュアールにむけて動く平和記念資料館を出て、
路面電車で御幸橋へ行ってみた。
御幸橋は、川の街広島にかかる橋のひとつで、
原爆投下直後、
この橋のたもとで撮影された、ものすごく有名な写真がある。
去年だったか、NHKの番組で
この写真を元に、
この場をCGで立体の動画にし、再現してみる
という試みがなされていた。
あの日、あのきのこ雲の下で、何が起きていたのか
を知る試みだった。
この写真に写っている多くの人は、瀕死の重傷で、亡くなられているのだけれども
何人かの方は、生存していらした。
中央右の、セーラーカラーの女学生も
生きのびておられ、番組中インタビューに答えてらっしゃったのには
本当にホッとしたものだ。
そんな、何人かの生存者が語る、あの日の御幸橋。
地面に横たわっている人は、、みな虫の息。
座り込んでいる人達は、大やけど。
衛生兵か、地区の係の人かが
一斗缶に入った<なたね油>を持って来て
皆で、やけどにそれを塗っている
というのが、上の写真の状況なのだそうだ。
原爆の大やけどになたね油・・・・・・・・・・・・・・・・
と、胸がつまるが
投下から3時間後、他に何が出来ただろうか?
そして、NHKの番組で、立体CG化された上の写真の様子は
本当に悲惨で、本当に恐ろしいものだった。
その御幸橋へ行ってみた。
爆心地から2300メートル
と、数字で言われると近いように思うのだが
実際に行くと、路面電車で思いのほか時間がかかり
この距離を、
大やけどを負いながら、
火の手の上がる道を避け、
がれきを踏んで逃げてきたのだな
と想像する。
あの日、どれほど遠かったことだろうか。
前述の写真と説明文は、今、御幸橋の西詰め、
写真が撮影されたのと同じ場所に、こうして展示されている。
その御幸橋の付近は、
今では、川の土手が綺麗に整備されて、
ジョギングやサイクリングのコースになっていた。
広島駅周辺のオフィス街から離れたこのあたりは
高いビルも少なく、古い商店や住宅が並ぶ
のんびりした雰囲気の場所だった。
が、古い町並みの中に、こんな面白そうなお店も。
他にも、
「手こね、天然酵母」と張り紙した
若い人がやっていそうな、こじんまりしたパン屋さんもあった。
実に怪しいことに、そのパン屋さん、
地下にライブハウスを併設していた。
↑の雑貨屋さんも、中にイベントスペースがあったし
なんだか怪しいぞーー御幸橋付近。
御幸橋の近くには、
「ゆめタウン」という、広島が本社のショッピングモールが、新しく出来ていた。
高松にも1店あるけれど
若いファミリー層にターゲットを絞った店作りが、とても上手な会社だ。
そのゆめタウンが出来たことで、
御幸橋かいわいには、面白いお店が集まり始めているのかもしれない。
あまりにも悲惨な写真が気になって、行ってみた御幸橋だけれども
2016年のそこには
「これから」
の感じがいろいろあった。
行ってみて良かった。
お土産は、前述の雑貨屋さんの手ぬぐい。
広島名物をズラリ並べた手ぬぐい。
よく知っている名物もあれば、知らないものもあり。
(お店の方によれば、お店を始めて10周年記念のてぬぐいで、
10の数字入りなんだそう。最初は別の場所でお店を始めたんだそうだ)