先週の日曜日に、夫が里山から採って帰った原木シイタケ。
その後、どうなったかと言いますと・・・・・。
ちょっと、採るのが遅すぎたかな~?
と言う感じで、
ビョロ~~ンとでかくなり、
傘も<台風の時の傘>状態で、裏返ってしまっていた我がシイタケ。
それでも
夫が持ち帰った時点では、まだイケる、まだ食べられる
ようには見えたのだ。
ドッサリ持ち帰られたそれらを
すぐに洗って、刻んで佃煮に、
もしくは、オリーブオイルとニンニクとベーコンで炒めて、
酢・塩・コショウで漬け込み、マリネに。
そうすれば良かったのだろうけれども・・・・・
この日、
私達は、私の両親の、結婚50周年を祝う会食に出かける約束があったのだった。
夫がシイタケを抱えて、山から戻ったのが午前11時。
会食のスタートは、正午。
もう、この場合は、シイタケよりは会食だろう。
シイタケの処理をしてしまいたいのをグッとこらえて
「とりあえず、今回は、全部干しシイタケに」
と、ベランダの新聞紙の上に、大急ぎでシイタケを並べて家を出た。
が、
今にして思えば、それがいけなかったのね・・・・・。
夕方、家に戻って見ると、シイタケの傘の裏は、ひどく茶色に変色していた。
育ちすぎて採り頃を過ぎたシイタケは
よく、こんな風に、裏が茶色くなっているものだけれども
今回、干していたシイタケは
育ちすぎているとは言え
干した段階では、まだ裏のヒダヒダは真っ白だったのだ。
それが、
・・・・・食べ頃を過ぎたシイタケ、
もうご老体で、傷みやすかったのか
原木から切り離され、干されたとたんに、ヒュゥ~~ッと茶色に。
「裏が茶色になってても食べられるよ」
と、以前、人から聞いたことはあるけれど
ベランダの変色シイタケは、なんだか美味しくなさそうな異臭までしてきた。
「・・・・・あかん。捨てよう」
涙を飲んで、変色シイタケを、あきらめることにした我々。
その数、全体量の3分の2ほど。
それでも、この段階では、まだ3分の1のシイタケは裏も白く
順調に干しシイタケに変身して行くように見えたのだ。
しかし、
1日経ち、2日経ちして行くうちに・・・・・
水分の抜けつつあるシイタケの、裏が、
やはり茶色に変色していくではありませんか??
おまけに、
やはり春先の収穫物と言うのは、難儀なもの。
昨年の初冬に収穫したシイタケでは、こんなこと無かったのだが
今回のシイタケからは、虫がわいて出るわ、わいて出るわ。
戸外で栽培している以上、覚悟はしていたけれども
傘の裏に潜む、豆粒くらいの黒い甲虫。
傘にしがみついて離れない羽虫。
そして、
ヒダヒダのすき間に身を隠す、全長5ミリくらいの。白いウネウネした何かの幼虫。
特に、今回は、このウネウネ幼虫がクセモノだった。
甲虫や羽虫は
ピン!とはじき飛ばせば、それでけりが付き
すぐにシイタケの周囲からはいなくなったのだけれども
この幼虫。
こいつは、1日経っても、2日経っても
シイタケを並べた新聞紙の上に現れ続けた。
何べん捨てに行っても、しばらくすると、また新手がウネウネと現れる。
しかも、段々とその数が増えてきているような・・・・・。
このヒダヒダの奥に、そんなに何匹もの幼虫が隠れているんかいな・・・?
首をかしげていた私だったけれど
3日目、
またしても現れたウネウネ幼虫を前に、夫が言った。
「これ、卵がかえって、それで虫がわいて出てるんと違うか」
・・・・・!!!!!
一気に、この干しシイタケを食す気が消えた。
そうとしか考えられない。
傘の裏のヒダヒダの中に、きっと卵が。
そして、それは多分、想像を絶する数で、きっとこれから、まだまだかえる・・・・・。
「・・・・・あかん」
2度目の敗北宣言である。
翌日、私は近所の野原へ行って
虫の卵付き&幼虫付きの<半>干しシイタケを捨てて来た。
こうして、春の収穫物は、我が家から姿を消してしまったのだった・・・・・。
こうして、私達は学んだ。
寒い季節ならともかく、暖かくなった頃には、
育ちすぎて傘が開いてしまったようなシイタケは、採ってはいけない。
虫と、虫の卵がドッサリくっついているから。
どうしても採って食べるなら
よ~~~~~くよ~~~~~く洗って、すぐに調理してしまうこと。
それでも
傘の開いていない、傘の裏のヒダヒダも閉じたままの
採り頃のシイタケがあるのなら
大きいのは、もうパスして良いのよ。
ああ、こう考えてみると、寒い時期の収穫は、実にお気楽だった。
ちょっと甲虫が付いていたこともあるけれど、たいしたことは無かったもの。
他の里山オーナーさんが栽培している原木ヒラタケも
甲虫やウネウネ幼虫がいても、ここまで悩まされることは無かったし。
でも、春先は。
これからの収穫は、シイタケの大敵、ナメクジの心配もしなくてはいけない。
プロの原木シイタケ農家なら
シイタケの発生は、ハウスの中でさせているから
虫とかナメクジの心配は無いのだろうけれども。
ああ、イヤやなぁ~~~。
思えば、幼少の頃、
シイタケの切り身と間違えてナメクジを掴み
腰が抜けるほどビックリして
以来、30歳近くまで
シイタケが大嫌いで、食べなくなってしまっていた私。
それがまた、シイタケ&ナメクジと関わることになろうとは。
でも、
これが、農薬・殺虫剤無しで作物を作ると言うことなのよね。
と言う顛末に終わった、この春最初のシイタケの収穫。
残念だったけれども
シイタケの処理をさておいて出かけた会食では
和食の板前さんの見事な料理が、次々と現れて楽しく
特に宴の中盤に登場した、お寿司の盛り合わせは皆をとても喜ばせ↓
楽しい午後となりました。↑の写真で、7人前。
普通のにぎり寿司の半分くらいの大きさで
こう言う、自分ではとうてい出来ない、見事な職人技を見せていただくのも
時には楽しいもの。
何かを作る仕事って、やっぱり素晴らしい!と思った日曜の午後でした。