私達が借りている、山の区画の↓この斜面は、一面の淡竹(ハチク)林だった。
ビッシリと覆われていた。
だから、ハチクを皆伐した後に迎えた、最初の初夏と言うのは、
もうすごかった。
ボコボコボコボコ、いっせいにタケノコが斜面に顔を出し、
これはいかん!と、10本くらい伐り倒しても
翌週、山へ行くと、また20本くらい出ていて、ひっくり返りそうになったものだった。
それも、食べ頃のタケノコが出ているのならまだしも
私の身長(160センチ)くらいになった、食べようもない
茶色い棒が、斜面に林立しているとなると・・・・・。
見ようによっては、現代アートのように見えなくもないけれど
とにかく、その繁殖力は、おそろしいばかりだった。
覚悟はしていたけれども、正直、参ってしまった。
そう言う状態が、1ヶ月くらいは続いただろうか?
後になって、
タケノコは、枝や葉を出す前に伐ってしまうと
地下茎が
「ムッ!伐られた。いかん!早く次のタケノコを出さねば!」
と頑張ってしまい、よけいにパワーアップしてしまうので
伐りたい気持ちをグッとこらえ、
枝や葉が出始め、<タケノコ>が<竹>に変身したあたりで
バッサリやるのが良い
と知った。
その方が、地下茎へのダメージは大きいのだそうだ。
つまり私は、やたらめったらタケノコを伐りまくり、
地下茎に刺激を与えて、パワーアップさせ続けていたことになる。
バカバカしいったらありゃしない。
その様子は、漫画<山仕事は楽し・・・(5)>でどうぞ。
それを知ったうえでのぞんだ、翌年、2度目の初夏。
が、
どういうわけか、タケノコはほとんど出なかった。
「裏作なんだろうか・・・・・?」
と思ったけれども、
イノシシが、ある程度は食べていたのかもしれない。
去年、3度目の初夏も、同じ。
ほとんど姿を見せず。
この時は、イノシシがタケノコを食べた形跡はあったけれども
でも、食べまくって、地面がボコボコと言うほどでもなかった。
なのに、
最初の年のように<タケノコ林立!>と言うことには、ならなかったのだった。
この3度の初夏から得た、私の推論は、
<最初の年、竹あるいはタケノコを伐りまくり、
徹底的に成長を阻止すれば、竹のパワーは、かなり減退するのでは?>
と言うもの。
地上で光合成する竹が1本も無ければ、
そりゃ、地下茎だって、栄養も回らず、相当ガックリくるのではなかろうか?
とにかく、最初の1年、
めげずに、出て来る竹を伐り続ければ
ハチクの竹林は、退治できるかもしれない・・・・・。
モウソウチクの管理の本には
<最初の2~3年は、タケノコがどんどん出て大変ですが>
という意味のことが書かれてあったけれども
ハチクに関しては、
我が里山では、1年頑張れば、結果が見えてくるのかも・・・・・!?
(たとえ、2年目、3年目は裏作だったり、イノシシがタケノコを食べたり
と言うことが重なっているとしても)
さて、前の秋冬に手入れした、↓この斜面。(これは冬の姿ですが)
私達の区画とつながった部分なので、ここも当然ハチク林だった。
だから
「この初夏は、勝負だな」
と、私達は思っていた。
今、ここでの頑張りが、将来を決める。(おおげさな)
いやでも、2週間前、フキを摘みに山へ入った際
私は、何本かのハチクのタケノコの姿を、見かけていたのだ。
「来たな」
と思った。
モウソウチクのタケノコに遅れること3週間。
そろそろハチクとの、勝負の季節がやって来たようだ・・・・・!
ただし、
出て来た竹を伐るタイミングについては、気をつけねば、
前と同じ轍(てつ)を踏んではいけない!
と肝に銘じていた。
タケノコの段階で伐ってしまえば、相手をますます増長させるだけ。
こらえてこらえて、我慢して
竹になったところで、一刀両断!
そうすれば、毎週、何十本ものタケノコを伐らなくてもすむのである。
枝落としは、ちょっと面倒だけれども
竹になるまで待って
この斜面のハチクの、勢力拡大を食い止めてみせるぞ!
・・・・・そう決心していたはずなのに・・・・・。
夫にも、そのむね伝えて
竹になるまで、伐るのは我慢しよう!こらえようね!
と言う作戦で、二人で山に入ったはずなのに・・・・・。
・・・・・でも・・・・・・・・・・。
問題の斜面は、昨日、土曜日の時点で
こう言う状態で↓
もう草ボーボー。
そして、そういう所に、↓こんな感じでボコンボコンとタケノコが出ているのを見たらば
理性なんか、軽く吹っ飛びました。
作戦なんて、もうどうでもいい!
と言うわけで、目にしたハチクやメダケのタケノコを
伐って伐って伐りまくってしまった昨日。
ああ、私、
「ここは送りバントやぞ。ええか?絶対に、送るんやぞ」
と言われていたにもかかわらず
打てそうな球が来たら、ドバーーンと振ってストライク三振。
スリーアウト、チェ~~ンジ!!にしてしまうバッターなんだろうなぁ。
だって、もう
ものすごい数のタケノコが顔を出していて
伐らずにはおられなかったんですもの。
これが、全部、竹になるところを考えると、もうもう・・・・・・・・・・。
ひとつだけ言い訳をさせていただくなら
これらが竹になるまで、2週間くらい待つとして
その間に、クズなどのツル性植物も、どんどん伸びて来るのだ。
そんな時期に竹を放っておいたら、ツルがからまって、すごい団子状態に。
またたく間に、ジャングル復活!
そうしたら、伐り払うのにも、倍以上の時間がかかってしまうから
もう
相手を増長させようがなんだろうが
タケノコで、今、伐っちゃった方が。
楽。まし。
絶対に早い。
ともあれ、昨日、今年最初の草刈りをした、里山。
斜面にも、なんとか通路が確保できて↓
区画への入り口も開いて↓
岩太郎(スギの苗木)も、無事救出。↓
ほんの2週間前までは、摘んで楽しんでいたフキもワラビもイタドリも、
通路に出ている分は、皆、刈り飛ばしてしまったこの日。
山菜との、甘~~い甘~~い蜜月も、もう終わったようです。
激ラブの時間って、ホント、短いものなのですね!
里山の記録が、<草刈り><草刈り>ばっかりになる季節が
またやって来てしまいました。
それにつけても、理論の実践の難しいことよ。
竹を伐採するタイミングに関しては!
(私の推論でいけば、この悩みも今年だけ・・・・・のはずなのですが)