最高気温が25℃を超えるようになって、
ベランダのポッドで発芽した芽も、ドンドコと伸びる初夏。
特に、
いち早く発芽したマリーゴールドなどは、早くも花を咲かせそうな勢いだ。
つくづく一年草の花や野菜と言うのは、成長が早いもの。
それに比べて、木は・・・・・。
と、痛切に感じるばかりの今日この頃。
と言うのも
借りている里山の区画で
ハチクを皆伐した後の斜面に、私達は、あれこれ色んな苗木を植え
斜面を森に戻そうとしているのだけれども、
この木と言うのが、まぁ・・・・・、
いよいよゆっくりと成長するものなのだった。
当然と言えば当然なのだけれども、まぁ、それにしても・・・・・。
例えば、このスギの岩太郎達。↓
この場所に、マスターTさんが苗木を植えたのは、2004年の早春の頃。
当時は、確か、50~60センチくらいの高さだったと思う。
今は、身長170センチの夫よりも、少し大きいくらいだから
3年間で、成長したと言えばしているのだけれども
でも、まだまだ、どう見ても<苗木>。
後ろにそびえる大人のスギの木と比べれば、それは、一目瞭然。↓
まだまだ<木>じゃなくて、<苗木>。赤ちゃん。
周囲の雑草や、巻きついて来るツル性植物を切ってやらねば
と親心がわく。
苗木は、最低でも5年。出来れば10年くらいは、周囲の草刈りが必要なのだ。
日当たりを良くしてやるためにも。
他の、植樹した木達、
レモン、オリーブ、シークワサー、イチョウ、コナラ達も
同じように、ゆっくりゆっくりと成長中だ。
周囲の雑草達が、一ヶ月足らずで、呆気にとられるほど大きくなるのを見ていると
正直言って、その遅々とした歩みには、ため息が出るばかり。
成果が見えないと言うか・・・・・。
ここ、本当に、森に戻るの??
そんな気分になってくるのだった。
2003年に、山の手入れを始めて、今で丸4年。
今年で5年目に入った、私達の<里山オーナー制度>だけれども
一応、5年契約と言うことでスタートしているので、
今年度が最終年度と言うことになる。
これは、県が始めた制度で、
県としても、まさか5年で、「はい終わり」と言うことにはならないとは思う。
思うのだけれども、
これが、この先も続いて行くとして、
これまでと同じように、ただ続けて行くのか
また別のやり方を模索して行くのか
今のところ、皆目わからないのである。
なにしろ、私達が借りている山は、
香川県の<里山オーナー制度>第一号ケースで、前例が無いから。
これまでと同じように続けて行っても、良いのかもしれないけれど
この4年間で、全く問題が無かったわけじゃない。
中でも、最大の問題は、
手入れを続けている人と、そうじゃない人が、はっきり分かれてしまったこと。
・・・・・それぞれに、色々な理由があると思うのだ。
急に仕事がハードになってしまった。
家族や自分が体調を崩してしまった。
地域で責任のある立場になってしまって、時間が取れない。
他のボランティア活動を、頼まれてしまった。
やれると思っていたけれど、実際にやってみたら、大変すぎてとても無理だった。
興味を無くした。
などなど。
結局、20区画を貸し出して
現在、年に数度でも、継続的に手入れに来ている場所はと言うと
7~8区画ばかり・・・・・と言ったところではなかろうか。
他は、ほったらかしで、ジャングル状態。
あるいは、ジャングル状態に戻りつつある。
活動の参加者が増えるのならともかく
年を追うごとに、どんどん減って行くというのは・・・・・
なんとも不安で、悲しいものがある。
私と夫が、最初に借りた区画が、300坪。
昨秋、勝手に手入れを始めた隣の斜面が、同じくらいあると見て
合わせて600坪。
香川県全体の、荒れ果てた山から見れば、砂丘の砂粒ほども無い面積だと思う。
それどころか
マスターTさんの持ち山全体から見ても
子猫の額ほども無いと言うか・・・・・。
参加者がどんどん減る中で
これっぽっちの面積を手入れし続けて
何か、役に立つんだろうか?意味があるんだろうか?
こんな、ほんの少しの斜面を、竹林から雑木の森に戻して
自分達のストレス解消以外に、何が???
そんな不安と疑問が、頭をよぎる5年目。
こういう状況で、
遅々として成長しない(ように見える)苗木達を見ていると
ますます無力感が、身体にまとわり付くのだ。
ここ、本当に、森に戻るの??
戻しても、意味無いんじゃないの???
多分、どんな活動にも、こう言う局面は訪れるものなんでしょうね。
最初は、たくさんの人が集まって、皆、張り切っていて、
でも・・・・・、徐々に徐々に、参加者は少なくなって行って・・・・・。
でも、イヤじゃないなら、続けることが大事・・・・・なのでしょうね?
先日、ファイルを整理していたら、昔の山の斜面の写真が出て来た。
岩太郎達が、まだ植えられて半年くらいの風景だった。
↓左端に並んでいるのが、岩太郎達。
赤く塗られている斜めになった棒は、苗木のつっかい棒なのだけれども
この棒が、今となっては、苗木の根元にしがみついてる感じ。↓
頭ではわかっていたつもりだけれども
こうやって、本当に、木が大きくなっているのを見比べると・・・・・
やっぱり、やれる限りは手入れを続けよう
と言う思いが、ふつふつと湧いてきた。
ともあれ、やれる時までは、やり続ける。
今の自分達に出来る決心って、それしかなかろう。
止めるのは簡単。
我々の場合は、始めるのも簡単だった。
県が、全部お膳立をしてくれ、私達は、県に申し込みをし、
面接・抽選を経て山を借りただけ。
複雑な手続きは、何も無かった。
ヘルメットにノコギリ、ナタ。
共用資材としては、チェーンソーや刈り払い機まで用意してくれていた。
簡易トイレも、設置してくれた。
始めるのは、本当に簡単だった。
でも、止めるのは、もっと簡単。
しかし・・・・・。
今年小学校に上がった甥っ子は、
まだカブトムシやカブトムシの幼虫を欲しがるお年頃。
彼が、それらを「採りに行きたいなー」と思った時、
採りに入れる山を作っておくのも、我々の仕事。
そう思って、
ともかく、続けます。
ただ、続けるにしても、どうやって続けて行くのか・・・・・
と言う問題も浮上してきていて・・・・・
そのことについては、<これからの問題 その2>で。