それにしても、山の手入れを、どんなやり方で続けて行けば良いのやら・・・・・?
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今、全国各地で、
たくさんの森林保全グループが、山や森の手入れを行っている。
ここ香川県でも、多くの団体が活動を続けている。
大半は、
個人所有か、自治体所有の山や森を提供してもらい
グループ全体で、その山や森を手入れしていく
と言う方式だと思う。
このやり方で、最も有名な団体のひとつは、
東京都と埼玉県の境に広がる狭山丘陵で、トラスト運動を展開している
<トトロのふるさと財団>だろうか。
今や、財団法人にもなった大きな組織で
きっと、たくさんの人々が、精力的に活動しているのでしょう。
一方、
私達が参加している<里山オーナー制度>と言うのは、
ちょっと違っていて
まず、個人所有の山を提供してもらい、そこをいくつかの区画に分割する。
分割した区画を、それぞれ別々のオーナーに貸し出し
それぞれの区画を手入れしてもらいつつ、自由に活用してもらおう
と言う方式。
賃貸の市民農園と、似たシステムだ。
この<里山オーナー制度>のメリットは
なんと言っても「自由が利く」ことだと思う。
それぞれの区画を、それぞれが手入れするのだから
山へ行く日も、時間も、自分達の都合に合わせてOK。
そして、
この4年間、山の手入れに通ってきて、何度も強く思うのは
この<自由>があるからこそ、続いたんだ
と言うこと。
例えば、我が家は、大体、週休1日なのだけれども
休みが1日だと、その1日に、あれこれと用事が重なってくる。
ならば、
出来るだけ、段取り良~~く、その用事を片付けていきたい
と思うもの。
(今日は、朝早くに山へ行って草刈りして、昼からは家の用事を片付けよう)
とか
(午前中に実家へ寄って、それから午後は、山で野良仕事!)
とか
あれこれ前日に段取りを組む。
そして、
そう言う融通がきかせられるのが、この制度の、ものすごく大きな魅力なのだ。
他の森林保全グループは、
おそらく、活動の日時を決め、
皆で、「せーーの!」で、山や森の手入れをしていると思うのだけれど
そのやり方だと、
きっと、私達夫婦は、続けられなかったんじゃないか
と思う。
都合の合わない活動日が何日も出て来て
そのうち、なんだか参加するのがおっくうになって来て・・・・・
と言うふうに。
また、自分達で、自分達の区画を、どう手入れして行くか
目標を定め
計画し
自分達の考えで実行して行けるのも<里山オーナー制度>の魅力だ。
これだと、やり遂げた時の達成感は、ものすごい。
でも、これが、大人数で「せーーの!」方式だと
目標や計画は、リーダーとなる人達が考え、
自分は、その指示に従って動くだけ・・・・・
と言うことになるのだろうと思う。
それはそれで、皆で一緒に汗を流してやり遂げる楽しみはあるだろうけれど
多分、
1~2年やっているうちに飽きて来るかもしれない・・・・・私は。
それくらい
今のやり方の満足感は、でっかいのだ。
作業の途中、
「しんどい」とか
「止めときゃ良かった」とか
ブーブー文句ばっかり言ってはいるけれども。
と言うふうに、良いことずくめの<里山オーナー制度>。
が、
もちろん、問題はある。大きなデメリットも感じている。
まず、なんと言っても、
今のやり方だと、私達が何かの都合で活動を続けられなくなった時
私達の区画は、ほったらかしになってしまう。
そうなれば
あっと言う間に、ジャングル状態に戻ってしまうのは、目に見えるよう。
大人数で、一緒に手入れするやり方ならば
誰かが続けられなくなっても、他のメンバーでやり続けられるし
新しいメンバーを募ることだって出来る。
新陳代謝をしながら、活動は続く。
でも、
今の方法だと・・・・・
今の<里山オーナー制度>だと、遠い未来が見えない。
とりあえず、目の前の山を手入れしているだけで・・・・・
無力感が募る。
また、1人や2人で、ちまちま手入れをしても、なかなかはかどらない
と言う問題もある。
時々、我が里山でも、
区画割りしていない部分を、共同で手入れすることがあるけれど
5人、10人で作業すれば、そりゃあ一気に山は綺麗になる。
劇的に変わる。
それを見ていると、
1人の人間が、10回山に通うより
10人が、1回来て作業した方が、効率は良いのだろうな
とも思うのだけれども・・・・・。
5年目の契約終了時を控えて
他の里山オーナーさん達も
「この先、どうやってこの山の手入れを続けていくのが良いか」
迷ってらっしゃるだろうなと思う。
全体で、一緒にやる方式に切り替え、
どんどん新しいメンバーを募集するのが良いのか、
それとも
これまで通り、それぞれの区画割りにして、
自由で融通の利くやり方で続けて行くのが良いのか・・・・・。
<やりがい>も絡んでくるだけに、とても難しい問題だ。
これまで、私達の活動を、
ものすごく大きな器で受け止めてくださって来たマスターTさんのことを考えると
ここまで手入れした山を、ジャングルには戻したくない
と思うのだけれども
さて、
どういうふうに続けて行けば良いのか・・・・・。
考えが定まらない、5年目の初夏です。