無農薬で家庭菜園をやっていると<EM>という言葉に、良く出会う。
<EMで堆肥を作った>とか
<EMで土壌改良をしよう>とか。
ご存知の方も多いでしょうが、
<EM>とは、複数の微生物を共生させた資材のこと。
この複数の微生物の分解力を利用して
生ゴミを、肥料や家畜のエサに変えたり
家庭排水を浄化したり
と、
<捨てるはずの物を有効に使う>取り組みが、
今、全国各地で行われているのだそう。
多分、世界各地でも行われているのでしょうが
世界の状況は、私は、よく知らないので・・・・・。
そんな<EM>。
自然農法の本で、よく見かけるのは、<EMぼかし>というもの。
これは、EM菌に、米ぬか、粗塩などなどを混ぜて、
充分に発酵させたもので
なんと言えばいいのでしょう?
土壌改良のための材料?
使い方は、この<EMぼかし>と、水を切った生ゴミを混ぜ、
それを畑の土に混入して、しばらく寝かせると
荒れた土でも、野菜の良く育つ素晴らしい土になるのだとか。
牛ふんとか油かすなどの肥料は、もう入れなくていいくらいに
すごく栄養のある
ミネラルも豊富な土になるのだそうだ。
EM菌が、生ゴミの分解と発酵をサポートして
生ゴミが、素晴らしい肥料に変身するのでしょうか。
だから、
<EMぼかし>を使って野菜作りをすると
生ゴミが有効利用できて、焼却場に出す量が減るし
野菜は強く丈夫に育つので
病害虫への抵抗力があって、農薬を使わなくてもすむようになるしで
環境にとっては、とても良いことらしい。
当然、ノー農薬、ノー化学肥料で畑をやっている我が家も
<EM>に興味はわいたのだけれども・・・・・。
なかなか手が出せなかったのは、私がマンション暮らしだったからだ。
そして、畑が遠く、
週に1度、もしくは2週間に1度しか行けない状態だったから。
畑が近く、毎日でも通えるのなら
毎日、台所から出た生ゴミと<EMぼかし>を持って畑に行き
土に混ぜればOK。
しかし、
週1となれば、
生ゴミと<EMぼかし>を混ぜたもの1週間分を
家のどこかに置いておかねばならない。
スペースの限られたマンションで、
それを、どこに置こう・・・・・・・・・・・・・・・???
と考え出したら、
なかなか実行に移せなかったのだった。
生ゴミ1週間分と言ったって、別に汚いわけじゃない。
EMの力で分解され、発酵し、
言って見れば、ぬか漬けみたいになっているわけだから
ぬか床を台所に置いておくことを考えたら、まったくノープロブレム。
ただ、
南向きの室温の高い部屋には置けないだろうし、
台所は、分別用のゴミ箱が、やたらスペースを占領しているしで
置けそうもない。
となると、なかなか・・・・・
腰が上がらなかったわけだった。
しかし。
先日、とある会合で、高松市内の保育園の園長先生にお会いした。
その園長先生は、
保育園の隣に、知的障害者のための通所施設と作業所を作り
作業所で、<EMぼかし>を作って販売しておられるということだった。
そして
その<EMぼかし>を使って、保育園の給食から出る生ゴミを処理し
園のそばにある畑に入れて、園児達と野菜作りをされているという
まことにすばらしく、有効につながった活動をされている方なのだった。
その方と、少しお話をさせていただき
帰り際、
「これ、あなたにあげるわ」
と、園長先生は、
持ってらした<EMぼかし>(作業所の商品)を、ポンと私にくださった。
密封したビニール袋を通して、濃厚な発酵香が漂う
素人にも
「良いぼかし!」
だとわかるものだった。
買えば、決して安くはない商品。
それを、初対面の私にポン!とくださったのだから
これはもう、迷っている場合ではありません!
やらねば。
やるぞ!<EMぼかし>で生ゴミ処理。
と言うわけで、長年、うだうだ迷っていたものが
実にホイ!と始まってしまった、EMとの生活。
これもご縁というものでしょうね。
とにかく、<EMぼかし>用の密閉容器と、処理した生ゴミをいれるバケツを買い、
北向きの私の仕事部屋で
共生生活はスタート。
いただいた<EMぼかし>。↓
このような感じで、バケツの中では、
ただいま生ゴミが発酵中。↓
バケツが、ちょっと小さ目だけれども、中年男女ふたりの家で
とりあえず果物と野菜のクズだけ入れてみることにしたので
このくらいで行けるでしょう。きっと。
この週末には、里山の畑の、休耕中のスペースに入れてみるつもり。
こうして、2007年夏、
我が家で二つ目の、微生物との共同生活が始まりました。
(一つ目は、5年続いているカスピ海ヨーグルト。
多分、ぬか漬けと同じで、
もう、よそのお宅のヨーグルトとは、違う味になっている・・・・・んでしょうね?)