昨年、初めて栽培してみたウコンを収穫したのが、11月のこと。
大騒ぎしながら天日干しし、
ミルサーで粉にした。
タップリできた、自家製のウコン粉末。
あの時、確か、私は
「これで、キッチリ1年分あるぞ!」
と確信したはず。
それまで飲んでいたウコン粉末の量からして、1年分あると思えたのだ。
ところが
・・・・・・・・・・それから数ヵ月後。
私と夫は、早くも
「どこかのJAの産直市場か、自然食料品店へ行って
ウコン粉末を買って来なくてはなぁ~・・・・・」
などと話し合っていた。
自家製ウコン粉末が、あっと言う間に消費されて、
残り少なくなってしまっていたのである。
美味しいからドンドン飲んでしまったのか
と言われれば、(大がつくくらいの)正反対で
ものすっっごく不味かったからドンドン減っていったのだ。
私達が育てたのは、春ウコン。
(秋ウコンだと信じて種ウコンを買い、
植えたら、出来たのは春ウコンだったのである)
ご存知の方はご存知でしょうけれども
ウコンは、春ウコンと秋ウコンでは成分も味も違い
はっきり言って、
春ウコンは秋ウコンより、5倍は苦くて不味い!!!
その不味い不味い、苦い春ウコンの粉末を
私も夫も、
早く、とにかく一刻も早く飲みきってしまいたくて
無意識のうちに、普通なら小さじ1杯を水に溶いて飲むところを
2杯溶いて飲んでいたようなのである。
身体に良いんだろうか?こんなの。
ともあれ、そうやって、
気がついたら
今年の春先には、もう、自家製ウコン粉末は底をつき始めていた。
「早く、どこかで秋ウコンの粉末を手に入れねば・・・・・」
そんなある日だった。
夫とふたり、
初めて入った、とある自然食料品店で、
黄色い粉が入った、そのパッケージを見つけたのは。
それは、佃煮とか金山寺みそとかが入っているような
小さなプラスチックの容器。
中には、黄色い粉末が入っていた。
容器のフタには、
生産者のおっちゃんの名前と、小さな顔写真を印刷したラベルが貼られ
その横に、
おっちゃんが書いたのであろう
油性マジックインキで、大きく
<秋>。
「あった!あった!秋ウコンや!あったでー」
私が大喜びで夫を呼んだのは、言うまでも無い。
「ほらほら。秋ウコンの粉末。良かったなー。買おう!」
しかし、夫は
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て」
「は?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これ、ホンマにウコンか?」
「へ・・・・・?」
「容器のどこにも、ウコンって書いてないが」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
確かに。
フタに書かれてあるのは、マジックで大きく黒々と<秋>。それだけ。
「これ・・・・・、きな粉と違うんか」
昨年、私達はミルサーを買った。自家製ウコンを粉末にするために。
そして、今年の2月。
そのミルサーを使って、今度は、節分の豆の残りを挽いてみた。
出来たものは、きな粉。
そして、それは、どこからどう見ても
ウコン粉末にソックリだったのである。↓
私の過去のブログを読んでいる人ならわかるかもしれませんが
読んでいない人で、↑の2枚の写真の、どちらがウコンでどちらがきな粉か
いっぱつでわかった人がいたら、すごい。
とにかく、こんなに似ているのである。
そりゃ、きな粉とウコン粉が似ているのは、もともとわかっていたことだけれども
自分達で作ってみて、
あらためて、そのまっつくついぶり(そっくりぶり)に驚いたのである。
それで飛び出した
「これ、きな粉と違うんか」
言われて見れば、私にだってきな粉に見えて来る。
が、
いったい、この世の中に<秋きな粉>なんてものが
存在するのでしょうか??
いーーや、絶対にしない!(多分)。
「秋と言うたら、秋ウコンです!」
押し切って、そのおっちゃんの<秋>の容器をレジに持って行ったけれども
家に帰って飲んでみるまでは
ちょっと不安でした・・・・・。
この広い広い世の中には、
無知な私が知らないだけで、
もしかしたら
<秋きな粉><春きな粉>というものがあるのかもしれない・・・・・。
結果、おっちゃんの<秋>は、やはり<秋ウコン>のことで
私達は、
お酒を飲む前に、きな粉を水に溶いて飲む
なんてはめにならずにすんだのだけれども
おっちゃん、
やっぱり、フタのどこかに、
ひと言<ウコン>って書いておいて欲しかったよぅ!!
今日、久しぶりに、くだんの自然食料品店の前を通りかかったので
何か買おうかなと寄ってみた。
棚の一画には、例の小さなプラスチック容器。
中には、黄色い粉。
そして、フタには、おっちゃんの名前と顔。
名前と顔の横には、
相変わらず、マジックインキで、黒々とでっかく
<秋>。
笑って、とっても幸せな気分で店を出た。
おっちゃん。
あなたのその行動が、ふたりの人間を、こんなに幸せにしているなんて
あなたは知らないでしょうね。
おっちゃんに幸あれ!!