実に実に実にお恥ずかしい話なのだけれども
私は、ごく最近まで、干しシイタケで出汁が取れる
と言うことを知らなかった。
もちろん、
干しシイタケの戻し汁は、料理に使っていたけれども
それは、戻した干しシイタケを料理に使う場合に、
<シイタケと戻し汁を一緒に>使うものだと思い込んでいて、
<戻し汁だけ>を他の料理の出汁にする
なんて考えたことが無かった。
全然知らなかったのだ。
それが、先日、<出汁の本>なるものを読んでいたら
昆布と干しシイタケの合わせ出汁
と言うのが出てくるではありませんか。
いりこ(煮干し)やカツオ節を使えない精進料理、ベジタリアンの料理では
基本の出汁だとか。
あっらーーーーー。知らなかったわ。恥ずかしい~~~~~。
・・・・・言い訳させていただくなら、ここ香川県では<いりこ出汁>が主流。
さぬきうどんの出汁(つゆ)も
家庭の煮物も味噌汁も
いりこオンリーか、いりこと昆布の合わせ出汁が多いのだ。
特に、さぬきうどんの出汁など、
いりこの香りが強ければ強いほど、県民は喜ぶと言うカルトな面もあって。
なので、
私にとっては、出汁=<いりこ、もしくは、いりこ+昆布>
あるいは<昆布のみ>か、和食の特上出汁なる<カツオ節+昆布>
であって、
<昆布+干しシイタケ>で、煮物が作れるとか
味噌汁が出来るなんて思いもしなかったのだった。
いやはや、40代にもなって、こんなことに気づくとは・・・・・。
しかし、気づいた以上は、そういう出汁もどんどん使ってみようじゃないの
と、料理をする楽しみも増えてきた。
こうなると、待ち遠しいのが、
我が里山のシイタケ。
クヌギで原木栽培している、露地物(プロはハウスに入れちゃうから)の
収穫である。
我が里山のシイタケは、
2004年の年初め、
クヌギのほだ木に植菌したもの。
「大体、2年くらいしたら出始めるかのー」
と言う先輩達のお言葉どおり、去年(2006年)の春頃、ちょこっと出て
年末頃に、結構ドカン!と顔を出してくれた。
が、
なにせ、
初めて自分達で玉切り(大木を適当な大きさに揃えて切っていくこと)し、
えっちらおっちら山からほだ木を抱え降ろし、
山の裾野にシイタケ栽培場を作り、
自分達で植菌をし、
梅雨の頃には天地返し(立てかけておいたほだ木の上下を逆さにすること)をし、
結果、
とうとうとうとう手に入れた原木露地物シイタケである。
も~~~~~、嬉くって嬉しくって
出た先からどんどん採って、どんどんどんどん食べていった。
そして、
「はっ!!」
と気がつくと、シイタケの季節は終わり、
あとにはスッカラカンのほだ木が残るのみ・・・・・・・・・・。
たくさん採れたからって、そう毎日毎日シイタケばっかり食べてないで
干して保存しておきましょうよ。
次の季節が巡ってくるまでは。
なんて、賢く考える者など、どこにもいない我が家だったのだ。
しかし、今年は、
作るぞよ!
自家製干しシイタケ。
そして、
怪しい中国産の干しシイタケを使わずとも、
美味しい干しシイタケと昆布の出汁を、取ってやろうじゃないですか!!
と、待ち構えていた土曜日。
「出たかな~~?(便秘ではありません)」
と、山の中の栽培場へ上がって行ってみれば
1個!
1個だけ、採り頃ギリギリと思われる
でっかいシイタケが!
小躍りして山を降り
マスターTさんの農作業小屋のそばにある、
原木ヒラタケ栽培場へ向かった我々だった。
このヒラタケ栽培場は、
キノコ栽培が趣味の、別の里山オーナーさんが作られたもので
出たら誰でも好きなだけ採って良いですよ
と言う、大変に太っ腹なもの。
ここでも、今年出始めたところの、でっかいヒラタケが♪
もう、夏場のひっきりなしの草刈りも
スキ有らば生えて来ようとする竹との戦いも
一瞬忘れる、至福のひと時である。
すぐまた思い出すんですが。
とにかく、
山の神様に、今年も恵みをいただいたと感謝しつつ
(栽培物ですが、山を借りていないと、こう言うことはしなかったでしょうから)
定番のペペロンチーノにした土曜の夜。
さて、問題は、この先どれくらいシイタケが出るのか。
そして、
今年は、冷静になって、ちゃんと干しシイタケの分を取っておく事ができるのか?
と言うことなのだけれども、
・・・・・・・・・・でも、採れたての生シイタケのペペロンチーノって
美味しいから・・・・・・・・・・。
もちろん、炒め物も、味噌汁に入れたって・・・・・・・・・・。