マスターTさんが里山オーナーに貸し出している山は、
全体で一万坪くらい。
大変に広いので、普段、各里山オーナーは、
自分が手入れしている場所以外には、めったなことで足を向けない。
私達もそうで、
毎週のように通っていながら
「ここ数年、行ったことがないな」
と言う箇所が、ほとんどなのだ。
逆に言えば、私達が手入れしている箇所にも、他のオーナーさんは、まず来ない。
特に、我々の手入れしている箇所は、里山全体の一番端っこなので
「いまだに、そこへは行ったことがない」
と言うオーナーさんだっているくらいだ。
そのうえ、この箇所は、道路や畑や、マスターTさんの農作業小屋からは
まったく見えない所。
山の陰になっていて、隠れてしまっているのだけれども、
なので、
もしかしたら、ここにこういう場所があるってことさえ
知らないオーナーさんだっているのでは・・・・・?
とも思えてくる
そういう、ちょっと見捨てられた辺境のような箇所なのであった。
日曜日。
その見捨てられた辺境地に、たくさんの人がやって来た。
私達夫婦が、ずっとチマチマ手入れしていた例の斜面、
ここを、共同作業で一気にきれいにしてしまおう
と言うことになったのだった。
月に一度の共同作業。
農作業小屋の周囲から、バリバリと草刈り・雑木刈りを始めて
本日、ついに、この辺境の地まで進んで来た。
やれうれしや!
先月末、私達がやり残した、シダとツルでボーボーの斜面も
刈り払い機を持った数人がかりでバリバリと。
(画面の手前の方までボーボーだったのですが、すでに半分綺麗になってます)↓
刈り取った、膨大な量の雑草を運ぶのも
人海戦術を使えば早い早い。
もう、夫と私だけなら、「いったい、あと何週間かかるやろうか・・・・・・・・・・」
と暗~~く言い合っていた場所なのに
総勢7人でかかれば、
もうたった2時間で、このとおり
スッキリ!!!↓
もう涙が出そうです。
そして、この日は、里山オーナーYさんちの愛犬ゴローちゃんも、ここへやって来た。
ゴローちゃん、
元気いっぱいのワンコにもかかわらず、無駄吠えを全くしない温厚な性格のため、
里山オーナーの皆から愛されるアイドル犬。
でも、Yさんの手入れされている区画が、私達のとは正反対の
かなり離れた場所のため
普段は、この辺境地には来ないのだった。
(実際、Yさん自身、「僕、この辺には初めて来ましたわー」
とこの日言ってたくらいだし)
でも、この日はやって来たゴローちゃん。
ただ、
この辺にやって来るためには、
イノシシ除けの電気柵を越えて来なければならない。
Yさんの区画の方には、この関門は無い。
なので、
私が、作業の途中、物を取りに駐車場まで戻った際
山へ戻ろうとすると、ゴローちゃんがついて来たので
電気柵の前で
「どうする?ゴロー、もう帰る?」
と聞いてみた。
私は、柵をまたいで行けるけど、さて、ゴローは・・・・・・・・・・
と思っているうちに、ゴローちゃん。
なんと、柵の電線と地面の間を
グイグイッとくぐり抜けて行ってしまったではありませんか!いともあっさりと。
背中やお尻が、電線にバッチリ触りまくっていると言うのに
平気のへいざだよ!?
もちろん、
昼間は危険防止のため、柵の電源は切ってあるのだけれども
一度痛い思いをしたイノシシ達は
昼間だろうと夜だろうと、絶対に柵を越えて来ることは無いのだった。
なのに、
ゴローちゃん。
そうかぁ、
ゴローちゃんにとっては、電気柵の電線は
あくまでも<ただの鉄の線>だったのだなぁ・・・・・・・・・・
と、かなり笑わせてもらった。
さて、スッキリした斜面を後に、皆、撤収。
↑右下の方に写っているのが、
ゴローちゃんが<屁>とも思っていない電気柵ですが、
ちょっと太目のゴローちゃん
この日は、思いっきり山の中を歩き回ってダイエットになったでしょうか?
この後、お昼には、里山産のヒラタケとシイタケ入りのうどんを皆でいただいて
大満足だった日曜日。
なかなか手入れが進まず気を揉んでいた山も、本当に綺麗になって
「もう、あとは、てっぺんの辺りを刈ったらええだけやのー」
「あと一回、頑張ったら終わりそうやなー」
とホントに幸せな気持ちになれた私達。
昔の農村にあった<結い>の制度って
皆をこういう気持ちにしてくれていたんでしょうね。
とにかく、感謝感謝!の日曜日でした。ありがたいことでした。