シイタケの植菌の季節がやってきて、あわただしく準備に走る我が家である。
前の日曜日
種菌を買いに、近所のホームセンターへ行った時のこと。
種菌や、すでに植菌してあるほだ木などを売っているコーナーへ近づいてみれば
なんとそこには、
<菌 50パーセント・オフ!>
の張り紙が。
棚には、クリタケやナメコの菌の箱も並んでいる。
「やった!ラッキーーーーーー!」
と、夫と二人、喜び合いながら、さて、では格安のシイタケ菌を
と手を伸ばそうとして、ガクゼンとした。
無いのである。
シイタケの菌の箱が、1個も。
あわてて、棚の上から下まで、もう一度じっくり見てみたけれども
棚に並ぶのは、クリタケとナメコの箱ばかり。
店員さんにたずねてみれば
「売り切れました」
との返事。
なんと!!!
しかも、県内の支店に問い合わせてもらったところ
すべての支店でも売り切れ。
再入荷の予定も無いとのことだった。
なんと、なんと、なんと!!!
・・・・・・私は目にしていなかったのだけれども
おそらく、この土曜日、
県内中の新聞に、
このホームセンターの折り込みチラシが入っていたのではなかろうか。
<シイタケ、クリタケ、ナメコの菌 50パーセント・オフ!>
と書かれた折り込みチラシが。
それを見て、
きっと県内中のアマチュア・シイタケ栽培家が
「おお!」
と押し寄せて来たのであろう。
我が家は、折り込みチラシをちゃんと見なかった。
出遅れてしまった・・・・・・。
これはいかん!と、あわてて、別のホームセンターへ車を走らせた我々。
しかし、
そのホームセンターでは、菌そのものを扱って無いと言うではないですか!
万事休す・・・・・・。
うろたえた夫は、
「とりあずクリタケの菌でも買っておこうか」
などと、思いつきで、泥縄式なことを言い出すし、
それを
「まあ、ちょっと待て。落ち着け」
となだめて、ともあれ、家に戻った。
こういう場合は、今ならネット通販という手がある。
近所のホームセンターは、
植菌シーズンのピークの今、在庫を売り切って、今年の販売は終わり
ということだろうが
ネットの専門店なら、まだ充分手に入るはず。
ただ、
ネットは、最終手段だ、とも思った。
なんでもネットで手に入る、便利きわまりないこの時代だけれども
まずは、身近の年長者に教えをこうべきではないか?
というわけで、
里山オーナー仲間で、キノコの栽培に詳しいUさんに電話。
どこか、シイタケ菌の買える場所を教えていただけませんか?
とお願いしたらば
さすが、あっさり「◎◎種苗店か、森林組合」とのお答え。
そのうちの「森林組合」の方は、私達も知っていて、
前回の菌は、そこで買ったものだった。
が、
なにしろ、基本的にはプロが相手の商売なので、
売る単位がでかいのである。
1000コマ単位でしか、売ってくれない。
前回は、仕方がないから1000コマ買って、
全部のほだ木に植菌しても、まだ余って、
捨てるわけにもいかないから
ヤケクソで、
重すぎて山の斜面から降ろせなかった、ほだ木の残りにまで植菌しまくった
といういきさつがあるのだった。
・・・なので、森林組合は、今回はパス。
もうひとつの「◎◎種苗店」へ電話をして、在庫を確認し
しかも、200コマ単位から販売している
というのを聞いて、やっと肩の荷を降ろした我々だった。
さて、3日後の水曜日。
夫が有休を取れたので、
私達は、第一回目の植菌をするために、里山へと向かった。
パラ・・・パラ・・・
という感じで、小さな雨粒が落ちて来る中
どうか本降りになりませんようにーーー
と祈りながら、菌、ほだ木に穴を開けるための電動ドリル、金づち、などなど
道具一式をかついで山の中へ。
シイタケ菌は、↓こういう形の小さな木片に染み込ませてある。これがコマ。
この袋の中には、200コマ入っている。
そして、
本日、第一回目の植菌の課題は
バッテリー2個で、果たして何コマ分の穴を開けられるのか???
を確認すること。
というのは、
前回の植菌は、まだ私達が、自分達の電動ドリルを持っていなかったため
前述のUさんが、ドリル持参で助けに来てくださったのだけれども
Uさん、
小型発電機を山の中に持ち込み、そこからコードを引いて
ドリルを動かす方式だったのだ。
しかし、
マンション暮らしの私達は、さすがに発電機まで買う気力がない。
(置いておく場所が・・・)
なので、バッテリー式の電動ドリルを買ったのだけれども
さて、
このバッテリーが、果たしてどれくらい持つものなのか?
もちろん、切れたら充電すれば良いだけの話なんだけれども
なにせ、作業は山の中。
なので、この場合、
充電する場所は、はるか彼方のマスターTさんの農作業小屋。
(↓真ん中のあたりに、建物が小さく見えてると思いますが)
いったい、何度、この距離を充電しに走れば
すべての植菌が終わるのか・・・・・・
やっぱり、最初に覚悟を決めておいた方が良いでしょう?そう思うでしょう??
と言うわけで
フル充電したバッテリー2個を頼りに
いざ、植菌開始!
夫が開けた穴には、私が金づちでトントンとコマを打ち込んでいく。
何本くらい、穴、開けられるんや~~~?
頑張ってくれよ~~~、バッテリー。
と思う間もなく
ウイイイイイイイイン!!!
と、威勢良く上がっていたドリルの音が
ウイイン・・・ウイイ・・・イイン・・・
と苦しげになりだすではないですか。
3本も開けてないやんか~~~~~~!!!
なにせ、小さいバッテリー(ドリルの底の方の四角い部分)。↓
やはり、発電機が無いとダメなのか。
しかし、休憩させては、また動かし、休憩させては動かし
と、なだめすかして働かせたところ
なんとか、200コマは打ち終えた。バッテリー2個で。
・・・どうやら、機械も人間と同じで、ノンストップで働かせると具合が悪いようで・・・。
ともあれ、次回、第二回目の植菌の際
全部を打ち終えるまでに、何度、山の下まで充電に走らねばならないか
これでわかった。(多分、2回。最悪、3回だ・・・)
今回、植菌し終えたほだ木は、
風通しが良く、直射日光が当たらないスギの木立の中で、仮伏せ。
念のため、椿の枝などを伐って、上にかぶせ、
ほだ木が乾かないようにしておいた。
この状態で2~3ヶ月置き、ほだ木の中に、シイタケ菌が充分に行き渡るのを待つ。
梅雨入り前には
これを「本伏せ」という状態にする作業が待っている。
その頃には、山は草ボーボー、
暑い中の作業になるなぁ
と、初夏に思いを馳せながら、山を降りた。
降りる頃には、雨も上がって、青空も広がってきたこの日。
しつこく、菜の花&ナバナ畑でナバナをいただき
菜の花畑の向こうにある梅の木が、今や満開なのを知る。
そう、この梅の木の梅で、今年、初めて梅干しを漬けようと思っているのだ!
どうか、豊作になりますように。
本伏せの重労働は待っているけれども
梅仕事に思いを馳せ、初夏が楽しみにもなってきた、この日だった。