昨日、こどもの日の香川県は、朝からパラパラと小雨が、降ったりやんだり。
しかし、夫がやっと休みを取れたので
小雨などものともせず、里山へ。
天気が悪いから、作業をするつもりはサラサラ無く、
「山菜を採ろう!」
と大きな袋を抱えて(欲深)、はりきって出かけた我々だった。
5週間ぶりになる里山の姿を見るのは、ちょっと怖い。
想像通り、どこもかしこも草ボーボー。
それでも、小雨のおかげで新緑がいっそう綺麗に見えたし
気温が20℃以下だったせいか、あのうっとうしい蚊も出なかった。
この時期、蚊が出ないというのは、ほんっっとーにありがたい!!!
なので、
気を良くした我々は、
ボーボーの草にへこたれることなく、山菜採りに、山を這いずり回ったのだった。
・・・ここで
「這いずり回った?・・・表現として変なんじゃない??」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが
文字通り、這った。
と言うのも、
フキは田んぼの畦や土手に生えており、割りあい楽に採れたのだが
ワラビは、この日は、山の斜面にしか、食べ頃のが見つからなかったのだ。
平坦な場所にあるのは、皆、葉っぱになっちゃってる。
仕方がないから、70度くらいある斜面をスパイダーマンのようによじ登った。
よじ登ってでも採りたい!
という、日本海溝のごとく深い、我らの欲である。
そうして、斜面に這いつくばって、
1本、向こうに1本、
と、クライミングをしながらワラビをゲットしていったのだが、
一度、
右手にワラビを1本掴んだまま、
「あーーーれーーー」
と、落ちて行きそうになり、
少し下から、やはり這いつくばって私を見上げていた夫は
私が落ちてきたら、二人して転げ落ちる危険をかえりみず受け止めるべきか、
それともサッとよけて自分だけ助かるべきか、
瞬時に考えたそうだ。
結論は
「よけて自分は助かる」。
「二人ともケガしたら、ここから動けんようになるけんのー。
最善の方法を考えたんじゃ」
とは、夫の弁。
しかし、
私も以前、山登りをしていて、ものすごい斜面を登っていた時、
先を行く夫のお尻を眺めながら、
「万が一の時は・・・」
と、まったく同じことを考えていたのだから
夫を責めることは出来ません。はい。
しかし、斜面に足を踏ん張っていて、思いがけず嬉しいものも見つけた。
淡竹(ハチク)のタケノコである。
毎年、モウソウチクやマダケが出終わって
5月も下旬頃になると、最後に出てくるハチクのタケノコ。
だから
「えーーーっ!もう出とん???」
と、かなり驚いたけれど、思えば、先月、4月はかなり暑かった。
なので、山菜も、例年より早く早くに顔を出しているんでしょう。
放っておけば、竹やぶになるだけのハチク。
食べて退治してやらねば。
一方、山菜の登場がスピードアップしているせいで、採り頃を逸したものも・・・・・・。
ヤブレガサ。
去年、群生地を、あっちこっちに見つけて
「来春は、これが芽生えたところでおひたしを♪」
と、ものすごく楽しみにしていたのに・・・・・・
すべての群生で、食べられる姿じゃあなくなっていた。
残念。
これは、また来年。
さて、採って帰った山菜は、すぐにアク抜き。
ハチクは、皮をむいてみると、本体は黄緑色になっており
ちょっと、固くなってしまってるかな・・・?
という状態だったけれども(一番の食べ頃は、クリーム色か薄い黄緑色)、
せっかくだから、アク抜きした。
ハチクは、アクが少ないので、皮をむいて10分~15分くらいゆでれば食べられる。
が、↑の、節と節の間が広いものは竹と化しかかっており
もはや、パンダの食べ物となっていた。(違うか、パンダは笹か)
しかし、節と節との間が狭い部分は、人間の食用OK。
かくして、この日の晩ご飯は、
ハチクのタケノコとフキとアンチョビのペペロンチーノ。
味付けは、これまでで最高!!!
というくらい、美味しかったのだが・・・・・・・・・
残念ながら、↑のように、タケノコを細切りにしすぎたため、
ハチクのタケノコ特有の、シャキシャキした歯ごたえが、
まったくわからなかったと言うか・・・・・・
これじゃ、
わざわざハチクを使った意味ないじゃん!!!
と言うか・・・・・・。
フキノトウのパスタ、タラの芽のパスタに引き続き
これも、再考の余地あり!!!
となった、この日だった。
う~~~~~~ん、山菜のパスタに、夫は苦戦中。
ところで、この日、お会いしたマスターTさんは、
農作業小屋の床に座って、しめ縄を作ってらした。
「なんで今頃、しめ縄???」
とお聞きすると
この地区の田んぼの水源であるため池で、
近々、農繁期を迎えるにあたっての儀式があるそう。
そのためのしめ縄作りを、頼まれたのだとか。
しめ縄作りの稲わらは、またいではいけないし、打って柔らかくしてもいけないし、
縄をなう時も、
普通の縄の場合とは、逆の方向(?)になわなければならないしで、
「大変なんじゃー」
とか。
去年までは、もう少し年配の方が作っておられたそうで
「今年から、頼みますわ」
と言われて
「はいはい」
と引き受けられるところが、マスターTさんの年代のすごいところだ
とつくづく思う。
私の年代で、これを頼まれて引き受けられる人間って・・・・・・
何パーセントくらいいるのだろう???
お忙しそうでなければ、教えていただきたかったしめ縄作りであった。
そんな風に、農繁期を迎えて
マスターTさんの田んぼも、田起こしが終わり、
田植えの日を待っている、5月初旬の里山です。