先週の後半から、少し遅めの夏休みで、沖縄へ行ってきました。
去年は、義父の入院で旅行を見合わせていたので、
沖縄は1年9ヶ月ぶり。
つまり、大叔父の慰霊も、1年9ヶ月ぶりと言うことです。
久々に、糸満市の平和祈念公園へ行き、
平和の礎(いしじ)に刻まれた大叔父の名前の前で、手を合わせて祈る。
ホッとする、
何か安心する瞬間です。
大叔父のお墓は、もちろん、香川県の大叔父の生まれ故郷にあるのだけれども
この平和の礎の前で祈ることは、
私にとっては、お盆やお彼岸のお墓参りと同じようなものかもしれません。
手を合わせて、少し心が落ち着くような・・・・・。
今年の初夏には、大叔父にとっては義姉にあたる
私の祖母が亡くなった。
あちらで、
久しぶりに会って、皆で、懐かしい話でもしているでしょうか。
ところで、今年の沖縄は少雨です。
本州では、あっちこっちで連日の雷雨だというのに
天気予報で見る沖縄は、本島も、宮古諸島も八重山諸島も、晴れ続き。
おまけに台風が、来ていません。
例年のこの時期なら、
すでに3個や4個の台風が通過していてもおかしくはないはずなのに
私の記憶では、夏の初めに、接近したのがあったっきり・・・・・?
旅行する側としては、確かに助かるのです。
普通、
9月上旬の沖縄旅行なんて計画したあかつきには、
「ま、台風が来て、旅行はパーになるかも」
と腹をくくるのが、常識と言うもの。
実際、私と夫も、数ヶ月前に旅の企画をした際には
「いざと言う時には、毎日、畑か山仕事でもして休日を過ごそう」
と言い合っていました。
これまで、沖縄への旅で台風にほんろうされたことは、しばしばあります。
数年前には
1週間の旅行中に、なんと2個の台風が沖縄へやって来て
結局、
出だしの<高松→那覇>間の飛行以外は、すべての旅程が変更になる
という
テンヤワンヤの旅も経験しましたっけ。
だから
「台風が来て当たり前」
だと思っていたのですが・・・・・・・・・・・・・・・
サッパリその気配も無い沖縄。
香川県も水が無くて困っておりますが、
沖縄は、それぞれの島がもっともっと小さく、保水力のある山も少ない。
そこへ、(沖縄本島など特に)日本中から観光客が押し寄せているわけですから
・・・・・・・・・・大丈夫なのかな?水。
そんなことを思いながら、那覇に着き、
慰霊もすませて、
沖縄本島北部の名護市にたどり着いた我々なのですが・・・・・。
意外なことに、
「節水」「節水」のポスターが、街のあちこちに貼られているわけでも無い。
また、
市の広報車が
「水源が危機です。皆さん、節水にご協力くださーーい」
などととアナウンスしながら走り回っているわけでも無い、名護市。
高松なんて、市役所から図書館から、駅のトイレから
ゴージャス系のホテルのパウダールームまで
「水を大切に!」のチラシが貼られ(←今回の渇水に限らず、一年中貼られている)、
今や、
市の広報車が、連日「節水を!」と言って回っていると言うのに。
・・・・・何なんでしょうか?
この切迫感の無さは??
沖縄の都市は、どこも
このような、巨大な貯水タンク(右手側の円すい形の建造物)↓を作ってあります。
この中に、思いのほか水が貯えられているし、
個人の住宅やマンションにも、必ず屋上に貯水タンクが備え付けられているから
私が考えているほど「渇水!」なわけでは無い
と言うことなのでしょうか・・・・・?
観光客が、ジャージャーとシャワーを流しっぱなしにして髪を洗ったりしても
それほど困ってないのかな??
?????
・・・・・と疑問符を飛ばしながら過ごしていた私なのですが、
やっぱり、
困っている人々はいました!いたのです。
私達は、沖縄へ行くと、
泡盛の酒造所を訪ねるのを、旅の楽しみのひとつにしています。
日本酒の酒蔵と違って、
泡盛の酒造所は小規模で、家族だけでやっているような所も多い。
建物も小さく、
うどんの製麺所のように小さなそれを
一所懸命探しながら、村や町を行き
ようよう探し当て、
運良く、酒造所の人にお話をうかがえたりすると超ラッキー♪♪
なんてことも、たまにある酒造所めぐり。
今回は、沖縄本島北部の、大宜味村(おおぎみそん)という所にある
田嘉里(たかざと)酒造所を訪ねて・・・・・
いえ、探して行きました。
この酒造所の<山原(やんばる)くいな>という泡盛を、
以前、たまたま飲んでみたところ
そのベタな名前に反して、とてもとても美味しかったのにひかれて
行って見ることにしたのです。
多分、昔からある村の小さな酒造所。
見つけにくいだろうなぁ~
とは思っていたのですが。
実際、レンタカーのカーナビが無かったら、絶対にたどり着けなかったでしょう
田嘉里酒造所。
なにしろ、
大宜味村の、とある小さな集落を抜けて
この道の先を行け!↓
と、カーナビに言われた時には
「イヤじゃー!」
「ウソや~~~~~!!」
としか反応できなかったですもん。私も、夫も。
↑この道の先に、まだ酒造所のあるような集落があるのか!?
さぬきうどんの製麺所なら、どんな山の奥でもあるかもしれませんが、
泡盛の酒造所って、ある程度の民家の集まる
八百屋さんとか散髪屋さんとかあるような、そんな集落の中にあるもの。
↑でも、この道の先に、そんな集落、ある~?????
・・・・・でも、カーナビの意見は正しく
ありました。
小さな集落も、そして
泡盛の黒麹(くろこうじ)で真っ黒で読みにくいですが
田嘉里酒造所も!!
昭和25年創業の、昔ながらの村の酒造所。
露地の奥にチラリと見えた、この大量の空きビンが↑
「あった!ここやー!」
と私達を導いてくれた、田嘉里酒造所。
そして、超ラッキーなことに、事務所にお姉さんがいて
なんと、酒造所の中も、見せていただけることに。
ズラリと並ぶ、泡盛のタンク。
タンクの中は、黒麹で、真っ黒に発酵中。
いや、良かった、良かった。
忙しい中、案内していただけて、ありがたい、ありがたい。
と、
ここで突然、前述の<水不足>の話に戻るのですが、
案内してくださったお姉さん。
旅行者である私たちに気を使って
「お天気が良くて良かったですねぇ~~」と。
でも、思わず私は
「けど、雨が降って無いんでしょう?」
お姉さん
「そうなんですよー。ちょこっとは降るんだけど、まとまった雨が無くて」
やっぱりなぁー!
と思いつつ、御礼を言って酒造所を後にした我々でした。
すると、その直後、
ピンポンパンポ~~~~~ン
と、地区の有線放送が、
私達のすぐそばにあったスピーカーから、流され始めたではありませんか。
スピーカーから流れて来たのは
「地区の水源の水が
減少しています。
皆さん。道路への水まき、
車の洗車は控えましょう~」
やっぱり!!
でっかい貯水タンクのある都市部では、問題になっていないけれども
渇水で困っている地域も、やっぱり沖縄には出てきている
と言うことのようでした。
観光客の皆さ~~ん。
シャワーを流しっぱなしにして
髪を洗わないでね~~~~~。
蛇口の水を出しっぱなしで、
歯を磨いたり
しないでね~~~~~!!
と、
そんな心配をしつつ旅行から戻ってきてみると
おお、なんと、台風13号が沖縄に接近中ではないですか!
台風は、農作物への被害が出るから
手放しで喜ぶのは、ちょっと・・・・・・・・・・はばかられるのだけれども
大宜味村の水不足
解消されるでしょうか。
と、ちょっと他人事とは思えない
今回の旅行中の、ひとコマでした。