先の日曜日、やっと里山の夏の畑を片付けた。
夏の主役だった、ゴーヤと黒あずき。
これを、綺麗に撤収。
黒あずきの方は、「いつ片付けようか・・・・・」とかなり迷ってのことだった。
と言うのも、
黒あずきの収穫が、一番多かったのはお盆の頃。
その後、ホソヘリカメムシの大発生があり、
収穫量は、グンと減っていたのだけれども、
それでも、
畑へ行くたびに、20サヤ、30サヤ・・・・・
と、ボチボチながらも豆が採れ続けていたのである。
私は、「肉や魚が無くても、豆があったら生きてゆけるわ♪」
という大の豆好きなので、
20サヤ、30サヤでも、採れるものなら、自分の畑で採った豆を溜めておきたい
と思う。
それで
「もうちょっと置いておこう。もうちょっと・・・・・」
とグズグズしてしまったのだった。
しかし、さすがに、もう10月。
未練は残るけれども、ゴーヤと共に、一気に撤収してしまうことにした。
地面いっぱいに広がった黒あずきを、片付けた後の畑。
畝に残された鷹の爪が、なんだか広々し過ぎて呆然としているような・・・・・。
ところで、
「黒あずき」、「黒あずき」と書いてきたけれども
7月に花が咲いたあたりから、
こいつの正体については、かなり不審を募らせていた私。
カボチャのごとく大地を覆って、ニューニューニューニュー伸びていくツルも
かなり不審だったけれども
この花!
これは・・・・・・・・・・、
もしかしたらササゲじゃないの・・・・・・・・・・??
しかし、私がネットで調べた限りでは
「宮古島の黒あずき」は、「黒あずき」という記述しか見当たらず
「実は黒いササゲなんです」
なんて証言は、皆無だった。
仕方が無いから、聞きましたよ。
意を決して。
「沖縄県農業試験場」というところに、メールを出して。迷惑だとは思ったけれども。
そうしたらば、
約2週間後にいただいたお返事には
「はい。黒あずきは、ササゲです」
はぁあ~あ~あ~あ~~。
やっぱりぃ~~~~~!♪
いやもう、スッキリしました!
「どっちでも良いじゃないか」
という声も聞こえてきそうですが、
いや、良くないです。
だって、
小豆は寒冷地向き、ササゲは温暖地~熱帯向きの作物なんだから。
育てる方の心づもりだって違ってきますし。
それに、
小豆は皮が破れやすいから、餡を作るのに良いけれど
ササゲだと破れにくい。
もし、
餡を作るつもりで黒あずき(正体 黒ササゲ)を栽培したらば
ゴワゴワした漉し餡しか出来ずに
「なんや。このおはぎーーーーー」
と、困る人だって出て来るかもしれないではないですか。
それに、
これ・・・・・JAS規格(日本農林規格)の審査は通っているんだろうか・・・・・?
という疑問も。
と言うのも、
黒あずきのことをネットで調べていたら
意外なことに、日本の他の地域でも、栽培している地域が結構あったのです。
中でも、秋田県の一部地域では
<てんこ小豆>と呼ばれている黒あずきが、ポピュラーなのだそう。
ただし、
この<てんこ小豆>、
「地元では<てんこ小豆>と呼ばれている<黒ササゲです>」
との説明が、しっかり書かれてました。
JAS規格上の配慮なのか、
もしくは、
餡を作ろうとして買ったお客さんが、迷惑するのを避けるためか、
ともあれ、
秋田の場合は、<黒あずきは黒ササゲ>と正体をはっきりさせているのです。
一方、宮古島の黒あずきは・・・・・・・・・・・・・・・。
ま、少し前までは、宮古島と伊良部島の島外へ流通することは
ほとんど無かったと言うから
島での通称で、困る人はいなかったのかもしれません。
また、
昔からの通称と言うことで、<あずき>と名乗って良い
と特例で認められているのかもしれないですし。
(四国の徳島県には、半田そうめんという
1・2mm~1・5mm幅の、ちょっと太いそうめんがあるのですが、
JAS規格では、
そうめんは1・3mm幅以下のものでないと、そう名乗ってはいけないそうで、
半田そうめんは、JAS規格では冷麦に分類されてしまうのだそう。
そこで、パッケージに冷麦と書かねばならないのか??
と、6~7年前に、徳島では、かなり騒ぎになっていたことがありました。
江戸時代からの特産品だと言うことで、特例で、そうめんと明記して良い
というところに落ち着いたのですが)
それでも、やっぱり、
黒あずき、
これだけもうネット通販などで、島外へ流通しているのだから
「地元、宮古島では<黒あずき>と呼ばれている
<黒ササゲ>です」
と、誰かが書いておいた方が・・・・・・・・・・
と思うので、こうして私が書いているのですが、
ともあれ、
ササゲだということがわかり、私は、スッキリ♪
それだけでは無く、
もし今後も栽培することがあったら、小豆よりはこっちだ
という確信も持てました。
と言うのは、
この夏、5月蒔きで<普通のあずき>と<黒あずき>を育ててみた我が畑。
結果は
ちょっと色がわかりづらいかもしれませんが、圧倒的に右の黒あずきの勝利!
普通のあずきは5株。
黒あずきは6株、と、一株多かったのですが
見ておわかりの通り、とても一株の差とは思えない結果となりました。
うちの畑で小豆を育てるには、気温が高すぎるのだろうなぁ・・・・・
と思いつつ、これまで3年育て、
「やっぱり、ササゲの方が合っているかも・・・・・」
と思い始めたところ。
しかし、近隣のホームセンターではササゲの種豆が見つからず、
スーパーでも食用ササゲは見当たらずに、あきらめていた我が家なのですが、
こうやって、
思いがけず<黒ササゲ>を育てることが出来て
ホントにササゲの方が、この土地に合っているのが実感できました。
いや~~~~~
棚からぼた餅
って、こういうことでしょうか?
え?違う?
さて、来年の畑のことは、まだどうなるのかわかりませんが
来夏は、ベランダで、
ゴーヤの代わりに、黒あずき(黒ササゲ)のカーテンを作っても良いかな~?
などと夢想する今日この頃。
それにつけても、最終的には3メートルにも4メートルにも伸びた、黒あずき。
<今年のオフィスの野菜>として、鉢植えで会社に持ち込んだ夫が
早い段階で
「まずいわ・・・・・」
と、畑へ移植したのは英断だったと、今は思わざるをえません。
(ほらー。だからやっぱり、「これは黒ササゲです」って明記しておいた方が。
庭の植木鉢で育てはじめて、テンヤワンヤになる人が続出する前に・・・・・)