ブログで知り合うことができた全国各地の家庭菜園家のみなさまから
自家採種の種を分けていただき、始まった
A町菜園での「うちんくの種」計画。
ミケさんから「おらほうの種」
sakkoさんから「わしとんの種」
buribushiさんから「おらちの種子」
ひびきさんからは「おらほうのハーブの苗」を分けていただいて
栽培、育成。
最初の夏野菜のシーズンが終わった。
無事に来シーズンの種が採れたものもあり、
土がまだよく出来ていない畑のせいか、
上手く育たなかったものもあり・・・・・・。
それでも70パーセントくらいは、未来の固定種「うちんくの種」への
第一歩が踏み出せたかな
と思う。
そもそもはシャレではじめた固定種作り。
でも、
世界の種市場の現在を知るにつけ、シャレではすまんなぁ
という気持ちになってきた。
今年の秋、日本でも
「モンサントの不自然な食べもの」
というドキュメンタリー映画が上映されていたので、
ご覧になった方もいらっしゃるだろうし
観ていないけど映画のあらすじは知っているわ
とか
映画のタイトルは耳にしたことがある
という方も多いのではと思う。
まだご存じない方は、↑の映画のタイトルで検索していただければ
今は、様々な情報が得られるので検索していただくとして
大金持ちの多国籍バイオ企業の戦略によって
種の世界は、ホントにえらいことになりかけている
というのが、逃れられない実情のようだ。
もちろん、↓この本を書かれた「野口種苗研究所」の社長のように
F1ではない、遺伝子組み換えでもない
昔から伝わる固定種や在来種の野菜の種を守っていこう
という志高い種メーカーの方もいらっしゃるけれども
世界各地のそういう中小の種メーカーは
F1の種を作る大手メーカーや、巨大バイオ企業に押されて
廃業や大手への吸収合併を余儀なくされているもよう。
そりゃそうかもしれない。
自分が専業農家なら
生育が不安定な固定種や在来種よりも
病害虫に強いとか、
大きな甘い実が成るとか、
たくさん成るとか、
そんな品種がありがたいに決まっている。
そういう種を選ばざるをえないだろうと思う。
また、そういう種を開発している大手メーカーや
巨大バイオ企業の研究員さんも
ひとりひとりは世のため人のため、志を持って研究をされているはず。
農家が病害虫で苦しまないように、とか
農家のために、美味しい実が毎年安定して採れるように、とか。
でも、ひとりひとりはそうでも
それが巨大な組織になったとたん、目指すものが狂ってしまうのは
日本の電力会社を見ていればわかるとおり・・・・・・。
電力会社の社員さんも、
ひとりひとりは本当に地域のため、利用者のため
一所懸命働いてらっしゃると思うのだ。
台風や地震で停電になった時
それこそ寝る間も惜しんで復旧作業を続けてくださるのは
1秒でも早く、地域の人に安心な暮らしを届けたい
という思いからだろうし
その姿には、常に頭が下がる。
なのに、
それが組織になってしまうと・・・・・・・・・・・・。
種の世界に話を戻せば、
そんな世の中に対抗する手段があるとすれば
やはり、
野口の社長さんがおっしゃるように
家庭菜園家が自家採種を続けることにつきるのかな
と思う。
もちろん、志ある中小の種メーカーから種を買い
買い支えていくことも大切なことだけれども
前述したように
そういうメーカーは、廃業せざるをえないかもしれないし
巨大バイオ企業に吸収されてしまうかもしれない。
そうなったら、固定種や在来種の種はどこへ行くんだろう??????
というわけで、
世界各国に何億人、家庭菜園家がいるのかは知らないが
菜園家が自家採種を続ければ
かなりの種を守れるのでは?と思う。
実際、そう考えて自家採種を続けている菜園家は
ものすごい人数いらっしゃいますしね。
ただ、
自分で続けているだけでは、何かの都合で菜園をやめた時
10世代続いた種であろうが
20世代続いた種であろうが
そこで終わり
となってしまう。
福島の原発事故以降、
作付けを止めざるをえなかった農家や家庭菜園家が
ものすごくたくさんいらっしゃると思うのだが
そこでどれだけの固定種、在来種が失われたことか・・・・・・。
どれほど種を失うのが悔しかったことか・・・・・・。
それを思うと
自家採種をすることと同じくらいに、
時々、畑仲間と種を分け合うことも大切、と思える。
全部の作付けを自家採種の種でやらなきゃ
と思うとしんどくて菜園そのものが続かなくなるかもしれないので
1種類か2種類。
ひとりの家庭菜園家が、それくらいの種を自家採種し続けて
「欲しい」という仲間がいたら種を分け
自分も時々、仲間から分けてもらう。
楽しみながら、そういうことを続けていれば
100年後の世界は、
巨大バイオ企業が思い描いていたものとは全然違ったものになる
と私は信じているのだが
甘ちゃんのたわごとなのかなぁ・・・・・・・・・・・・。
シャレの発端、鬼あきたは今夏も豊作なり。
来シーズンは四世代目となる。